分譲マンションと賃貸マンションの違いはなに?

公開日:2024/09/27



マンションに住むとき「購入か賃貸か」というのは永遠のテーマです。

どちらにもメリット・デメリットがあります。


ただそれ以前に、「そもそも分譲マンションと賃貸マンションはどう違うの?」と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。


そこで今回は、分譲マンションと賃貸マンションの特徴を解説します。

両者のポイントを押さえれば、自分のライフスタイルにぴったりの物件が見つけられますよ!


分譲マンションと賃貸マンションの特徴



分譲マンションと賃貸マンション、それぞれの特徴から解説します。

結論から言うと、大きな違いは「所有するか借りるか」です。


分譲マンション


分譲マンションとは、1棟のマンションを区分けし1部屋ごと販売しているマンションのことです。


部屋の購入者は区分所有者となります。

一戸建ての場合は購入者が土地の所有権を保有しますが、分譲マンションは購入者全員で土地の権利を保有します。


ちなみに、分譲とは「分割譲渡」の略称です。


賃貸マンション


賃貸マンションとは、オーナーの所有するマンション1棟から1住戸ごとに貸し出すマンションのことです。


住戸を借りた人はオーナーに毎月、家賃と管理費を支払います。

アパートと混同されがちですが建物の構造は異なります。


アパートは木造や軽量鉄骨造なのに対し、マンションは鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリート造であることが多いです。


メリット・デメリット



分譲マンションと賃貸マンションのメリット・デメリットを見てみましょう。


分譲マンション


まず分譲マンションのメリット・デメリットから解説します。


メリット

  ・耐震性や防音性が高い

  ・部屋や共用部の設備のグレードが高い

  ・高いセキュリティ(管理人orコンシェルジュ常駐)

  ・部屋をカスタマイズできる

  ・資産として所有

  ・ファミリー層が多く落ち着いた雰囲気


分譲マンションは長期的に住むことを前提として建てられているため、建物や設備のクオリティが高く快適に過ごせるのが特徴です。


規約範囲内であれば、自分の好みにあわせてリフォームもできます。

住宅ローン完済後は資産となるため、その後のライフプランにもゆとりが生まれるでしょう。


デメリット

  ・購入時にまとまった資金が必要

  ・固定資産税など支払いが増える

  ・修繕積立金、管理費が将来上がる可能性

  ・転居しにくい

  ・厳しい規約が煩わしい場合も


分譲マンションの購入には頭金や諸費用など、まとまった資金が必要です。

頭金の目安は物件価格の10%〜20%となるため、4,000万円の物件の場合400〜800万円準備しなければなりません。


また修繕積立金や管理費といった毎月のランニングコストのほか、年に一度「固定資産税」の支払いもあります。


購入しているため転居しにくい点にも注意。

急な転勤やI・Uターンなど、ライフスタイルの変化には対応しづらいでしょう。


賃貸マンション


賃貸マンションのメリット・デメリットは以下のようになります。


メリット

  ・転居しやすい

  ・修繕積立金や固定資産税が発生しない

  ・経年劣化による修繕費はオーナーが負担

  ・住宅ローン支払いのプレッシャーがない


賃貸マンション最大のメリットは、身軽でいられることです。

ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できます。


賃貸のため修繕積立金や固定資産税がないのは当然ですが、経年劣化による修繕であれば修理費用が発生することもありません。


住宅ローンのプレッシャーを感じることもないので、心穏やかに毎日を過ごせます。

家賃の負担が大きいと感じるなら、家賃の安い物件に引越せばいいだけです。


デメリット

  ・資産にならない

  ・家賃を支払い続けなくてはならない

  ・部屋を自由にカスタマイズできない


賃貸マンションはどれだけ家賃を支払い続けても、自分の所有物にはなりません。

そして、部屋に住み続ける限り家賃が発生します。


仕事をしていれば家賃の支払いは問題ないでしょう。

しかし、定年後など仕事をやめたときは家賃が大きな負担になるかもしれません。


部屋をリフォームしたり、工事したりすることもできません。

それどころか、壁に画鋲で穴を開けることを禁止されている部屋が多いです。


費用の比較



分譲マンションと賃貸マンションに住むときの費用を比較します。


例として、毎月の住居費を10万円程度とした場合、50年間でどれくらい差が出るのか計算しました。


住宅ローンの計算には三井住友銀行の「住宅ローン シミュレーション」を使用しています。


分譲マンション

  ・物件価格:3,300万円

  ・頭金:なし

  ・諸費用(物件価格の6%程度):198万円

  ・金利:1.5%

  ・返済期間:35年

  ・毎月の返済額:10万1,040円

  ・修繕積立金:1万2,000円

  ・管理費:1万5,000円


合計=6,061万6,800円(返済総額4,243万6,800円+諸費用+修繕積立金・管理費50年分)

※住宅ローン控除や固定資産税は含まれていません。


賃貸マンション

  ・敷金:20万円

  ・礼金:20万円

  ・家賃:10万円

  ・管理費(共益費):1万2,000円

  ・更新費用(2年に1回):10万円


合計=7,000万円(家賃+敷金・礼金+管理費・共益費50年分+更新費用24回分)


毎月の住居費を10万円程度とした場合、50年間では購入したほうが安いという結果になりました。


とはいえ、分譲マンション購入の計算には住宅ローン控除、固定資産税は含まれていません。

賃貸マンションに関しても、ライフスタイルの変化によって引越しすることもあるでしょう。


上記のシミュレーションはあくまでも目安という点にご留意ください。


どんな人におすすめ?



こちらでは分譲マンションの購入、賃貸マンションへの入居がどんな人におすすめか解説します。


分譲マンション


分譲マンションの購入に向いているのは以下のような人です。


  ・安定した収入が見込める

  ・将来のライフプランが定まっている

  ・部屋をリノベーションしたい

  ・利便性を重視している

  ・家族に資産を残したい

  ・老後も安心して暮らしたい


分譲マンションを購入すると、賃貸とは比較にならないほど自由にカスタマイズできます。


また立地の良いことが多く、通勤や通学のストレスも軽減されるのではないでしょうか。

エリアによっては将来マンション価格の値上がりも見込めます。


賃貸マンション


賃貸マンションに向いているのは以下のような人です。


  ・ライフスタイルの変化にあわせ引越したい

  ・出費をコントロールしたい

  ・家にいる時間がすくない

  ・転勤が多い

  ・修繕のことを考えたくない

  ・収入が不安定

  ・計画的に貯金できる


賃貸マンションは手軽なのが魅力。

入居、退去の手続きもかんたんにできるため「身軽でいたい」と思う人に最適です。


住んでいる限り家賃は発生しますが、将来に備え計画的に貯金できる人であれば問題ないでしょう。


まとめ


今回は分譲マンションと賃貸マンションの違いについて解説しました。


先述のとおり、両者の違いは「所有するか・借りるか」です。

「住宅ローンがあるか・ないか」とも言い換えられます。


どちらか一方が正解というわけではありません。

選択するときはメリット・デメリットを踏まえ、自分のライフスタイルと照らしあわせて検討しましょう。