都市ガスとLPガスの違いは何?メリット・デメリットを徹底解説
公開日:2024/09/12
お部屋探しをするとき「都市ガスとLP(プロパン)ガスはどう違うの?」と疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。
どちらもガスの種類ですが、料金や使用できるガス器具が異なります。
両者の違いを把握しておけば、お部屋探しも捗るでしょう。
今回は、都市ガスとLPガスの違いをわかりやすく解説します。
都市ガスとLPガスの基本的な違い
はじめに、都市ガスとLPガスの違いを解説します。
都市ガスの特徴
都市ガスは主に都市部で供給されているガスです。
地中の導管を通じて供給されます。
空気より軽い「メタン」を主成分としているため、ガス漏れすると上空に溜まりやすいのが特徴です。
そのため、ガス警報器はキッチンの天井付近に設置されます。
メリット
都市ガス最大のメリットは料金が安いこと。
理由は「ガスの小売全面自由化」と「配送コストがかからない」からです。
2017年4月よりガスは小売全面自由化され、新規事業者の参入が認められました。
それ以降、さまざまな料金プランが登場し価格競争がおきたのです。
また先述したように、都市ガスは地中の導管を通じて供給されています。
プロパンガスのように小売業者がガスボンベを配送する必要はありません。
配送コストがかからない分、プロパンガスより安い料金に設定できるのです。
デメリット
都市ガスのデメリットは災害時、復旧まで時間がかかる可能性があることです。
地中に埋設されたガス管が破損してしまった場合、ガス管の取替え作業をする必要があります。
仮に破損していない場合でも、ガス漏れしていないかすべて確認が取れないと使用できません。
LPガスの特徴
続いてLP(プロパン)ガスの特徴を解説します。
メリット
LPガスはガス会社の担当エリア内であればどこでも使用できます。
都市ガスの供給がむずかしい山間部などの物件でも可能です。
また発熱量が高いのもポイント。
都市ガスと比較すると2.2倍も火力が強いです。(出典:一般社団法人 プロパンガス料金消費者協会)
災害時の復旧が早いのもメリットでしょう。
配管やガスボンベの安全確認さえできればすぐ利用できます。
デメリット
LPガスのデメリットは毎月のガス代が高いことです。
ガス管からガスが供給される都市ガスとは異なり、LPガスは人の手でガスボンベを配達しなければなりません。
人件費や運送費がかかるため価格が高くなってしまいます。
また、自由料金ということもあり価格が一律ではありません。
ガス会社が価格設定できるため、急に値上げされる可能性もあります。
都市ガスとLPガスの料金比較
一人暮らしの1ヶ月間の平均的なガス使用量5㎥で料金を比較。
わかりやすいよう東京都に絞りますね。
都市ガスもLPガス(二部料金制)もガス料金の計算方式は「基本料金+従量料金(使用量に応じて変わる料金)」です。
一般財団法人日本エネルギー経済研究所の附置機関「石油情報センター」によると、2024年6月時点のLP(プロパン)ガスの一般小売価格は5,047円、基本料金は1,904円となっています。
合計すると6,951円です。
一方、都市ガス。
2024年6月時点の1㎥あたりの料金は174.87円、基本料金は759円となっています。
計算すると1,633円です。
都市ガス➤1,633円
LPガス➤6,951円
※都市ガス出典(東京ガス:ガス料金表)
※LPガス出典(石油情報センター:一般小売価格)
上記は一例で季節やエリアによって料金は変わりますが、都市ガスとLPガスの料金に大きな差があることがわかります。
生活スタイルに合わせたガスの選び方
都市ガスとLP(プロパン)ガスにはメリット・デメリットがあります。
自分の生活スタイルに合わせて選びましょう。
都市ガスが向いている人
都市ガスは以下のような人に向いています。
・毎月のガス料金を安くしたい
・自炊派
・安全面を重視している
・災害に備えカセットコンロを所有している
都市ガスはリーズナブルな料金が魅力です。
自炊する人は都市ガスを選ぶと毎月のガス料金を抑えられます。
また都市ガスは空気よりも軽いです。
ガス漏れしたときも天井に溜まるため、窓を開ければ放出できます。
難点は災害時の復旧に時間がかかるため、しばらく火を使えなくなること。
しかし、カセットコンロなど代替品を所有している方は問題ないでしょう。
LPガスが向いている人
LPガスは以下のような人に向いています。
・都市ガスの対応エリア外に引越す
・火力が強いほうがいい
・災害時にすこしでも早く復旧してほしい
LPガスはガス会社の対応エリア内であれば、設置後にすぐ利用可能です。
都市ガスに比べ毎月のガス料金は高くなりますが、火力は約2倍になります。
「ガス料金が高いことより、火力が弱いほうがストレス」という方にはLPガスがおすすめ。
「万が一の災害に備えたい」という方にもぴったりです。
LPガスは建物ごとに個別で供給されているため、自宅のガス器具、ガスボンベの安全が確認されたらすぐ利用できます。
まとめ
今回は都市ガスとLPガスの違いをまとめました。
それぞれに良い面、悪い面がありますね。
賃貸物件では部屋ごとにガス会社の変更も可能ですが、大家さんや管理会社に了承を得る必要があります。
このため、お部屋探しするときは「基本的にガス会社の変更はできないもの」と考えておくといいですよ。
ガス会社を指定されているケースもあるので、事前に確認しましょう。
お部屋探しするときの参考にしてくださいね!